「優しいね」「( ´ー`)(ヤメテェエエチガウノォオオオオ)」
苦しかった 『優しい』『いい人』の評価がいつしか平気になっていた。
長らく、「優しい」と言われたり『いい人』として紹介されることが辛かった。
人から、特に魅力的な女性から「優しいね」と言われると、
(アンタは雄としての価値ないから。男として見れない、ただの優しい“イイヒト”。だから絶対私に手を出したりしてこないでよね。マジ無理だから。)
という追加の意味を自分の中で勝手に受け取ってしまっていた。
つまり、その女性を口説くつもりのあるなしに関係なく、『優しい人』とされた時点で、恋愛の方向では脈無し・男としてナシという判断をくだされた感じがしてしまうのだ。
男としてナシでも人間的に好評価ならいいじゃないか、って話だけど、これが引き裂かれるような辛さを俺に与えた。
その場から逃げ出し、自室に籠って、うわああぁぁあああちくしょおおおおおぉおおおおと絶叫しながらゴロゴロ転がりたくなる衝動に駆られた。
ホントかよなにもそこまで、と思うかもしれないけど、男として見られること・モテることは俺の中でそのぐらい比重を置かれることだったのだ。
ただ、“優しい人=モテない”はそんな単純な仕組みではなかった。
優しい人、いい人であることはモテないことの直接的な原因ではない。
モテ要素を備え、 女性にアプローチしていくことと、本人の特長が優しさであることは全く別のことだ。
モテようとしてあれこれ行動した結果、俺も、恋愛界で定期的に聞くこの説を知識だけじゃなく腑に落ちて自覚することができた。
モテない理由(罪)を優しさに全部着せて逃げちゃいけない。
その人の際立つ個性が優しさだろうがなんであろうが、 必要なのは相手の心を恋愛的に揺さぶることなのだ。
逆に言えば、的確に相手の心を揺さぶることができるならば、普段優しい優しいと言われている人だろうが恋愛面で豊かに生きることはできる。
で、どういった部分が心に刺さるかは相手の女性によって違うからなんとも言えないんだけど、大まかな傾向としては、
●男らしい
●引っ張ってくれる
●自信・余裕のある態度
●ちょっとだけ強引
●色気がある
など、まあ~柔らかさや穏やかさとは真逆の要素が好かれやすい。
だから“優しい人はモテない”って思われやすいのかなと。
正確には“優しい(しか取り柄がない)人はモテにくい”だと思うんだけど。
悲しいかな、モテを志して歩み始めるそのとき、
「俺はブサイクだし、背も低いし、頭も悪いし、運動音痴だし、etc…優しいぐらいしか取り柄がないよな。よし、優しさを徹底的に磨こう!」
と優しさでの一点突破を決めてしまうのはたいへん効率が悪いのだ。
そんなことをグジャグジャ考えて試行錯誤した結果の今の俺は、
●“女性とのデートやセックスは、手の届かない高みにある果実ではない”という、認識の改め
●この人好きだな、となったときにきちんと攻め込んでシュートを打ちに行ける度胸と行動力
これらを獲得したことから、『イイヒトだからモテない!』と悩むことは無くなった。
※悩まなくなっただけで、決してモテモテになったわけではない。
結局俺が求めていたのは、「彼女以外にセフレも沢山!毎日取っ替え引っ替え!」みたいなわかりやすいモテ像の結果ではなく、モテたいという欲に振り回されてどうすればいいかわからずもがいている状態からの脱出だったのかもしれない。
話が逸れました。
加えて言うと、いい人どまりでモテない人の優しさって、 歪なものも含まれてる気がする。
●お節介・ありがた迷惑のような優しさ
●こうしたら好かれるかなって下心のあるもの
●ヒェ~~~すいませんねえこんなモテない男が~みたいな弱々しい気持ちの滲み出たもの
これらの優しさの共通点は「結局自分のことを考えている」ことだと思う。それは本質的には優しさじゃない。
相手に好かれる前にこういう余計なこと(減点対象)をし過ぎているのだ。
人混みの中で目の前の人が苦しそうにしゃがみこんだら「大丈夫ですか?」と声をかけると思う。
今は、 そういった自然に湧き出てくる優しさだけ行動に移すようにしている。
どこか歪みのある優しさを可能な限り排除して、自然に生きていてそのうえで「優しい」「穏やか」と言われるならば、その評価は素直に嬉しいこととして受け入れよう。
そんな感覚で日々を送れるようになった。
しかし痛々しいですね。
自分で勝手に悪い意味に受け取って勝手に傷付いてて。知らんがなって話ですよね。
でも、割と非モテ男性あるあるだと思うんですよ。
いい人どまりで苦しんでいる男性たちのちょっとでも救いになればと思います。
ヤケになって「優しさなんて捨ててやるー!」と反対方向に振り切っちゃって、ぎこちなくワルぶってみたり、あなたの本来の純粋な優しさまで押し殺してしまったり、周りの大切な人を傷つけてしまったりすることが、どうか、ないように。
祈っています。