「ブンナ」と命

 結論 

  • 今日という日は二度とない
  • じいちゃんばあちゃんすげー
  • 舞台よかったら観に来てね

 

 

この度客演させていただく舞台、演劇くらぶ葛の葉公演「ブンナよ木からおりてこい」。
根元的な“生命”について考えさせられる物語で、色々なことを思います。

さんざん語っておいて最後に告知載せると「結局宣伝かい!!!」って感じちゃいそうなんで、先に載せておきますね。

 

 

 

演劇くらぶ「葛の葉」公演
『ブンナよ木からおりてこい』
※原作 水上勉

5/26(土) 14:00~,19:00~
5/27(日) 14:00~
※各回とも30分前開場
※公演時間は2時間を予定しております(途中10分休憩あり)。

会場:豊栄地区公民館2階講堂(新潟市北区東栄町1丁目1−15)

チケット:一般 1000円,小学生以下 700円 ※当日500円増し

演出・脚色 白神道
演技指導 樋川人美(東京芸術座)

出演:井上晶子 倉島憲(東区市民劇団 座・未来) 渡辺彩 若月育子 平田セイイチ(東区市民劇団 座・未来) 五十嵐隆子 坂井雄一 白神道子 服部正
声の出演:若月向日葵 若月大河 他


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若者風にストーリー解説:
カエル達が潟のほとりで暮らしてるんですけどー、ブンナってやつが一匹いてマジハンパねーんですよ。めっちゃ跳ぶしめっちゃ虫とか捕まえるんですよ。んで、仲間のカエルにそそのかされて椎の木に登るんですね。スゲエ高くて、普通登れないんですよ。でもブンナやべーから。能力高いから。登れちゃうんですよこれが。

ただ登った先がデンジャラスでぇ!鳶のエサの中継所なんですよ。獲物捕まえて、半殺しにして、いざ食うときまでに置いとくとこなんですね。捕まった生き物達は、鳶に食われるのを待つだけ。っていう。やベースよ三途の川ですよマジで。
で、手負いの生き物達は、これまでの人生を振り返ったり、命乞いしたり、ブンナを鳶に捧げて自分が助かろうと考えたり色々するんですよ。
そんな、死を目前にした醜い生き物の本性を見て、ブンナは多くのことを学びとり、成長していきます。

(普通のしゃべり方に戻っちゃった)

 

 

個人的に印象的なのが、人生を振り返る動物達が語るなかの「生まれたときに母親にこう言われた」「いつも母親がこう教えてくれた」といった話。

いつ、襲われて補食されるかわからない自然界。
親は子供を守りつつ、自分がいつ居なくなっても良いように、子供に、具体的な生活の仕方や生きるうえで大事な教えを施しているのでしょう。
そんな動物たちでさえ、いざ死に際が迫ったら命乞いをし、あの時ああすればよかった、もっとこうしておけばよかったと人生の後悔を感じるのです。

これが人間ならなおのことでしょう。
大事なものを全力で守ればよかった、好きな人に好きと言えばよかった、行きたいところに行けばよかった…

何気なく過ごしている一日一日が、最期の瞬間と同じ、人生の本番であること。
私達はいつだって、手遅れになってから大切なことに気が付きます。

 

二年前、大好きだった祖母が亡くなりました。
深夜の病棟。永眠の瞬間を看取ることができた遺族は、その日泊まり込んでいた僕だけでした。
数日前から意識も無くなっており、遺言なども遺すことができない状態でした。

ですが、思い返せば祖母は、いや、さらに前に亡くなり死に目に会えなかった祖父も同じく、健康でいるうちの日常の中で多くの愛情を僕たちに注いでくれていたと感じます。

「ばあちゃんは、お前達(兄と僕)がかわいくてかわいくてしょうがないんさ」とか

「なんーにもしねでいいて!(なにもしなくていいよ)お前達が元気でいてくれることが一番の嬉しいことらよ」とか

小さい頃、祖父と布団を並べて寝ていたのですが、ふと横を見て祖父と目が合うと、菩薩のような微笑みを浮かべて頭を撫でてくれたり。

死期が近づいてのこれといった遺言が無くても、ふたりの日々の言動が僕たちに生きる力を与えてくれていました。

 

“毎日が特別な日。自分に正直に後悔しないように生きていこう。”なんて言うとありふれた自己啓発本のようでちょっと嫌ですが、本当に腹落ちして理解して実践していくことで、納得いく人生を送れるんじゃないかな、そしてじいちゃんばあちゃんはそれをやってのけていたな、と実感したのでした。

 

そんな感じです。
公演が終わっても、僕は、折に触れてこの物語を思い出し、命を噛み締めることでしょう。

 

YouTubeで「ブンナよ、木からおりてこい」で検索してもらうと舞台全編公開している劇団があったり、原作小説も大抵の図書館で借りれたりするので、関心を持たれた方は見てみてはいかがでしょうか。


もちろん、葛の葉の公演を観に来ていただくのが一番嬉しいことですが。
よろしければご一報ください。

 

echigokuraken@gmail.com

 

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